2023年12月20日に実際に泊まった記録です。設備・料金は当時のものです。
※「不老不死温泉」で検索される方が多いですが、正式には「不老ふ死温泉」です。死なないのではなく「老いず、ふけない(ふ死)」。この記事では正式表記で書きます。

湯船のすぐ向こうが日本海です。柵も堤防もありません。
関西から空路で青森へ入り、そこからバスで日本海側へ回りました。機窓から見えた地上は、もう一面の雪でした。

海と湯船のあいだに、ほとんど何も無い
黄金崎不老ふ死温泉は、青森県深浦町の海沿いにある宿です。名物は、波打ち際に作られた露天風呂。

湯は茶褐色で、底が見えません。鉄分と塩分を多く含む湯が空気に触れて酸化するため、この色になります。舐めるとしっかり塩辛い。

この湯は冷めにくい。12月の日本海の風に吹かれながら入っていても、体の芯が冷えませんでした。
波が高い日は入れない
海のすぐ横にあるということは、海が荒れれば入れないということです。波の高い日や雷のときは利用できません。
私が行ったのは12月。冬の日本海が荒れる季節です。「せっかく行ったのに入れなかった」ということが起こり得ます。

行く日を選べるなら、天気予報の波の高さまで見ておくと安心です。宿に電話して当日の状況を聞くのも手だと思います。
混浴と女性専用がある
海際の露天は、ひょうたん型の混浴と、女性専用の丸い露天に分かれています。混浴が苦手でも入れます。
湯浴み着の貸し出しもあります(宿泊者は無料、日帰りは有料)。
展望風呂の掲示が正直だった

館内の展望風呂に、こんな掲示がありました。
展望風呂は日本海の潮騒を楽しみながらご入浴できますが、立ち上がってる場合、海側等から見えますのでタオルで隠す等、ご注意くださいませ。
立ち上がると外から見える。そう書いてあるのは、かえって親切だと思いました。
夕方から夜の湯

この宿の露天は、時間帯で表情が変わります。

日本海に沈む夕日を湯船から見られるのが本来の売りですが、12月は日没が早く、天候にも左右されます。
食事
着いた日の夜、こう投稿しています。
本日のお宿は、深浦の黄金崎不老ふ死温泉。
夕食はバイキングだけど、地元の海鮮がメイン。
マグロとイクラ、美味しかった〜😋
2023年12月20日 19:08 の投稿より
バイキングと聞くと身構える方もいると思いますが、深浦はマグロの町です。青森のマグロといえば大間が有名ですが、水揚げの量では深浦が県内一。地元の海鮮が並ぶので、「宿のバイキング」の想像とはだいぶ違いました。
そして翌朝の投稿がこれです。
朝食のバイキング。
林檎カレーが美味しかった😅
2023年12月21日 8:24 の投稿より
朝から林檎カレー。りんごの町の朝食らしい一皿でした。


夕食も朝食もバイキングでした。ただし並んでいるのは地元の海の幸が中心です。

黄金崎不老ふ死温泉
雄大な日本海の波打ち際にある露天風呂。網元である幣社自慢の海の幸を、存分にお楽しみ下さい。
- 最安 10,450円〜
- 評価 4.47(1,217件)
- 最寄 ウェスパ椿山
- サービス4.45
- 立地4.62
- 部屋4.40
- 設備4.32
- 風呂4.67
- 食事4.43
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宿のすぐそば ― 千畳敷は、地震で持ち上がった海底だった
不老ふ死温泉から車で少しのところに、千畳敷海岸があります。平らな岩棚が海沿いに続く景色で、冬は雪をかぶります。

現地の説明板に、由来が書かれていました。
千畳敷周辺は寛政4年(1792)の地震で海床が隆起し水面にあらわれたところで、かぶと岩、潮吹き岩等の奇岩怪岩が多くみられる。
千畳敷及びかぶと岩の説明板(深浦町教育委員会・昭和49年8月16日指定)より
1792年の地震で、海の底が持ち上がってできた土地だというのです。いま歩いている平らな岩は、それ以前は海の中にありました。
名前の由来も同じ板に書かれていました。
その昔、領内巡視で立ち寄った弘前藩主はここに千畳の畳を敷いて、200間の幕を張り風景を眺望したことから千畳敷と呼ばれるようになったと言われている。
千畳敷及びかぶと岩の説明板(深浦町教育委員会・昭和49年8月16日指定)より
そして最後の一文が効いています。
その後も太宰治、大町桂月など多くの文化人らが訪れ、この景色を賞賛している。
千畳敷及びかぶと岩の説明板(深浦町教育委員会・昭和49年8月16日指定)より
太宰治。津軽の生まれで、故郷を歩いた紀行『津軽』を残しています。この海岸線もその舞台のひとつです。旅の前に読んでおくと、同じ景色に人の名前がつく——そういう読み方ができる一冊です。

行く前に知っておきたいこと
波が高いと露天に入れません。これが最大の変数です。
露天の脱衣所から湯船まで、冬は寒い。海風がまともに当たります。
湯は塩辛く、鉄分で色が付きます。白いタオルは変色することがあります。
→ この旅で考えていたことを、別に一本にまとめました: 『火怨』を読んで青森へ|アテルイと坂上田村麻呂、「黒石」の標識と十和田神社の伝承
この記事の情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 訪問 | 2023年12月20日(JTB旅物語のツアーで宿泊) |
| 所在地 | 青森県西津軽郡深浦町 |
| 露天風呂 | ひょうたん型(混浴)と女性専用の2か所。海際 |
| 泉質 | 鉄分・塩分を多く含む茶褐色の湯 |
| 注意 | 波が高い日・雷雨時は露天を利用できない |
※設備・料金・利用条件は変わることがあります。予約前に公式サイトでご確認ください。


