2023年12月に実際に訪れた記録です。天守の位置や見学の可否は、その後大きく変わっています(記事の最後に最新の状況をまとめています)。

石垣の上に、天守が無い
弘前城の写真といえば、石垣の上にそびえる天守と、その足元のお堀。そう思って行くと、少し面食らいます。
天守が、平らな地面に建っていました。周りは雪原で、木の柵で囲まれているだけ。石垣がありません。

壊れたわけでも、作り直しているわけでもありません。天守そのものが引っ越していたのです。
なぜ動いたのか
弘前城は、本丸の石垣が膨らんで崩れる恐れが出たため、修理することになりました。ところが石垣の真上に天守が載っている。
そこで2015年、天守を約70メートル動かしました。解体するのではなく、建物のまま移動させる「曳屋(ひきや)」という工法です。重さは約400トン。
私が見たのは、その移動した先に建っている天守でした。

石垣の修理は2021年6月に始まり、2024年12月に2,185石すべての積み直しが終わりました。
この姿は、もう見られません
石垣が直ったので、天守は元の場所へ戻ります。
2026年7月から「曳戻し」の工事が始まり、11月中旬に完了する計画です。移動を3段階、回転を2回に分けて、400トンの天守を元の天守台へ戻します。11年ぶりです。
つまり「石垣の上にない弘前城」を見られたのは、2015年から2026年までの11年間だけだったことになります。
そうと知って見に行ったわけではありませんでした。ただ結果として、限られた期間の姿を写していたことになります。
岩木山が見える
この日の投稿です。
冬の岩木山と弘前城。
天気が良くなって、絶景です。
2023年12月21日 11:55 の投稿より
前日は雪でした。朝のうちに晴れてくれたおかげで、雪をかぶった岩木山まで見通せました。冬の弘前は天気次第で景色がまるで変わります。
弘前で印象に残ったのは、城そのものよりどこからでも岩木山が見えることでした。
12月の青森で晴れるのは、運です。前日の深浦は曇りと雪でした。雪をかぶった城と、その向こうの岩木山が同時に見えたのは、この日たまたま晴れたからです。



雪の季節は、りんご畑も雪の下です。木だけが並んでいる景色が、延々と続きます。




昼は津軽藩ねぷた村の「旨米屋」で、りんごの和食膳
弘前公園のすぐ隣にある津軽藩ねぷた村で昼食をとりました。その中の食事処「旨米屋(うまいや)」で出てきたのが、「りんごの和食膳」です。


お品書きが置かれていたので、そのまま書き写します。ほぼ全品にりんごか青森の食材が入っています。
| 豚ときのこの | バルサミコソース掛け 焼きりんご付 |
| 青森県・陸奥湾産 | 帆立の貝焼き味噌 |
| 青森県八戸直送 | 鯖の冷燻 |
| 鶏肉と彩り野菜の | アップルソース焼き |
| 津軽の煮しめ | ─ |
| けの汁 | ─ |
| オニオンスライスと | りんごのサラダ |
| 弘前のブランド唐辛子 | 「清水森ナンバ」一升漬 |
| りんごのポタージュ | ─ |
| 津軽の漬物二種 | かぶ千枚漬・しそ巻き梅 |
| 店内竈炊きごはん | 青森県産米「つがるロマン」 |
写真の一皿がその1品目です。豚肉ときのこと、りんごが一切れ。これが生のまま鉄板で出てきて、下の固形燃料に火を点けて自分で焼きます。肉と一緒にりんごを焼くと、甘みが出て脂に合いました。
焼きりんご、アップルソース、りんごのサラダ、りんごのポタージュ。ここまで来ると清々しい。汁物の「けの汁」は津軽の郷土料理で、細かく刻んだ根菜と大豆を煮た精進料理です。米はつがるロマン、唐辛子は弘前のブランド「清水森ナンバ」——膳の上がまるごと津軽でした。
ちなみにこの日、車窓から見ていたのは雪の下のりんご畑です。その土地で採れたものを、その土地の膳で食べる。ツアーの昼食としては、これ以上ない構成だったと思います。

青森のりんごは、品種で味がはっきり違います。「ふじ」は蜜が入って甘く、「王林」は青いまま熟して香りが高い。旅から帰ってからも、この違いが気になって取り寄せるようになりました。
冬に行くということ
さきほど書いたとおり、春は200万人が来ます。その同じ公園の、冬の話です。

12月の弘前公園は、静かでした。雪を踏んで歩くだけで、ほとんど人に会いません。


足元は完全な雪道です。滑らない靴でないと、公園内を歩くのは厳しいと思います。
これから行く方へ(2026年8月時点)
訪問を考えている方は、以下を確認してから計画してください。
| 時期 | 天守の状況 |
|---|---|
| 2015年〜2026年6月 | 本丸の中央へ移動した位置に建っていた(この記事の写真) |
| 2026年7月〜11月中旬 | 元の天守台へ戻す「曳戻し」工事中 |
| 2026年11月〜 | 元の位置(石垣の上)に戻る |
また、天守の内部見学は2025年11月23日をもって休止されています。曳戻しの後も耐震補強と保存改修が続き、2032年度の工事完了まで、内部には入れません。
最新の状況は、弘前公園の公式情報で必ずご確認ください。
→ この旅で考えていたことを、別に一本にまとめました: 『火怨』を読んで青森へ|アテルイと坂上田村麻呂、「黒石」の標識と十和田神社の伝承
春にもう一度 ― 弘前さくらまつりに泊まるなら
ここまで冬の話ばかり書いてきましたが、この城の本番は春です。
雪をかぶった枝ばかりの木が、公園じゅうに立っていました。桜の木です。あれが全部咲いたらどうなるのか。冬に行った人間としては、そこがどうしても気になります。
弘前公園の桜は52品種・約2,600本。弘前さくらまつりには毎年200万人以上が訪れます。2026年は開花が早まる傾向を受けて、4月10日〜5月5日と、例年より1週間ほど前倒しで開催されると発表されています。本丸周辺の有料区域は9:00〜21:00、ライトアップは日没から22:00まで。
石垣の上に天守が戻るのも、この記事に書いた2026年から2027年にかけての曳き戻し工事のあとです。つまり「桜」と「石垣の上に戻った天守」を同時に見られるのは、その先。正直に書くと、それを狙ってもう一度行きたいと思っています。
ただ、200万人が来る場所です。宿は早い者勝ちで、まつりの時期は市内が埋まります。いま自分が予約するとしたら、という目で3軒選んでみました。
- 湯に入って疲れを取りたいなら … 天然温泉「岩木桜の湯」ドーミーイン弘前。大浴場つきで、名前からして桜。歩き回った日の夜に効きます
- とにかく公園に近い方がいいなら … 弘前グランドホテル 弘前城前。名前のとおり城の前で、朝いちばんの公園やライトアップの出入りが楽です
- 移動を優先するなら … アートホテル弘前シティ。弘前駅のすぐそばで、列車で来る人はここが動きやすいはずです
※ わたしが泊まったのは12月の青荷温泉と不老ふ死温泉で、この3軒に泊まったわけではありません。桜の時期に行くならどこにするか、という視点で選んだ候補です。料金や空室は時期で大きく動くので、リンク先で確認してください。
天然温泉 岩木桜の湯 ドーミーイン弘前(ドーミーイン・御宿野乃 ホテルズグループ)
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- 部屋4.33
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この旅で泊まった宿
2023年12月、JTB旅物語のツアーで青森を回ったときに泊まった2軒です。どちらも宿泊記を書いています。
この記事の情報について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 訪問 | 2023年12月(JTB旅物語のツアーで青森を訪問した際に立ち寄り) |
| 場所 | 青森県弘前市・弘前公園 |
| 写真の状態 | 天守は本丸中央へ曳屋された位置にある |
| 出典 | 弘前公園総合情報・弘前市の石垣修理事業ページほか |






