2023年5月、青森と秋田をまわる3日間の旅の最終日の記録です。午前に白神山地のブナ原生林を歩き、午後に十二湖の青池を見ました。
この記事には、そのとき現地で書いた投稿をそのまま引用しています。あとから思い出して書く文章より、その日の一行のほうが正直だと思うからです。
前の晩 ― ブナの森のビール
白神山地に登る前の晩は、ふもとの宿に泊まりました。その夕食のことを、翌朝こう書いています。
昨日の夕食。
地ビールがめっちゃうま。
#ブナの森ビール #白神山地
2023年5月27日 7:02 の投稿より

卓上のPOPに、こう書いてありました。「暗門の滝の水と、ぶなの天然酵母を使用した特別なビール」。中ジョッキで800円(税込)です。前日は朝から奥入瀬渓流を1万5千歩ほど歩いていたので、そのあとの一杯が効かないわけがありません。
ひとつ書いておきます。この「ぶなの森ビール」は、通販では見つかりませんでした。「ぶなの森」で探すと出てくるのは秋田の田沢湖ビールの同じ名前の商品です。そちらもぶなの天然酵母を使っているので紛らわしいのですが、別のものです。白神のぶなの森ビールは、いまのところ現地で飲むしかありません。
→ その日の話: 奥入瀬渓流を歩いた記録|石ヶ戸から銚子大滝へ、5月下旬の新緑
白神山地は日本初の世界遺産(自然遺産)

白神山地は、青森県と秋田県にまたがる山地です。1993年、日本で初めて世界自然遺産に登録されました(同じ年に屋久島も登録されています)。人の手がほとんど入っていないブナの原生林が広く残っていることが評価されました。
とはいえ、原生林の核心部分に入るには手続きも装備も要ります。観光で行けるのは、その縁にあたる散策道です。わたしたちが歩いたのも、そのひとつでした。
「世界遺産の径 ブナ林散策道」

入口に立っているのが、この標柱です。「世界遺産の径(みち) ブナ林散策道」。英語では The World Heritage Beech Forest Trail と書かれていました。
そして、歩きながら書いたのがこれです。
今日は朝から白神山地のブナ原生林散策。
心が洗われるようでした😀
#世界自然遺産 #白神山地 #白神山地ブナ林散策道 #ブナ原生林 #気持ちいい
2023年5月27日 13:26 の投稿より
「心が洗われるようでした」。いま読み返しても、これ以上うまく書ける気がしません。5月下旬のブナは葉が出そろったばかりで、光が緑を通って落ちてきます。足元はシダと草に覆われていて、木の階段のほかに人工物がほとんど目に入りません。
「紀子さまの木」の前で、列が止まった
階段を登った先で、大きなブナの前で列が止まりました。ガイドさんがひとしきり説明したあと、参加者が順番に幹に抱きついていきます。

この木は「紀子さまの木」と呼ばれているそうです。白神山地ビジターセンターの解説によると、秋篠宮さまが暗門の滝を目指したものの雨で断念し、代わりにこのブナ林散策道を歩いて、このブナまで来て引き返したと言われている——それが名前の由来だとか。
大きさは胸高直径およそ80センチ。巨木の基準とされる1メートルには届きません。それでも、説明を聞いたあとに人が次々と抱きついていくくらいには立派でした。
ついでにブナという名前の由来も教わりました。漢字では木偏に「無」と書きます。腐りやすい、狂いやすいなど木材としての欠点が多いので「木で無い」という名前が付いた、という話です。これだけ大事にされている木が「木で無い」と書かれるのは、なんだかおかしいと思いました。
コースは短い。歩く前に見ておくと迷わない

現地の案内板に、コース図が出ていました。思っていたよりずっと短く、散歩の距離です。
| 区間 | 距離 |
|---|---|
| 案内板から入口まで | 約50m |
| 小回りコース | 約270m |
| 大回りコースの入口まで | 約210m |
| 暗門渓谷ルートへの抜け道 | 散策道の途中から分岐 |
案内板には水飲場と休憩所の位置も描かれています。コースには「登り」「下り」の表示があり、小回りでも階段の上り下りがあります。写真のとおり木の階段なので、雨のあとは滑りやすいはずです。運動靴以上は履いていったほうがいいと思います。
案内板の下にはこう書かれていました。「この看板は森林環境整備協力金によって製作しました」。歩かせてもらっている側としては、こういう一行を読むと少し背筋が伸びます。
午後は十二湖へ ― 青池
午前にブナ林を歩き、午後は十二湖へ移動しました。十二湖は白神山地の西側にある湖沼群で、大小あわせて33の湖沼が点在しています。「十二湖」の名は、崩れた山の上から見たときに12しか見えなかったからだと伝えられています。
そのなかでいちばん有名なのが青池です。

旅から戻った翌朝、こう書いていました。
昨晩遅くに無事に帰宅。
昨日の午後は、十二湖周辺を散策。
青池きれいでした。
天気に恵まれた3日間でした🙂
#白神山地十二湖 #青池 #晴れ男パワー #東北旅行記録
2023年5月28日 8:58 の投稿より
「青池きれいでした」。写真を見ていただくのがいちばん早いと思います。インクを落としたような青が、手前の浅いところでは緑に変わっていく。水面にはまわりのブナ林がそのまま映り込み、その映り込みが届かない深いところだけが青く残ります。
なぜこの色になるのかは、じつははっきり分かっていません。ブナの成分によるという説、水の透明度と光の吸収によるという説などがありますが、決着はついていないようです。現地でも「青い理由は諸説あります」という趣旨の案内を見ました。
青池は周囲が短く、駐車場から歩いてすぐです。午前にブナ林を歩いたあとでも、まったく苦になりませんでした。
3日間を終えて
この旅は、青森県に初めて足を踏み入れた旅でもありました。初日の朝に、こう書いています。
みちのく2人旅。
青森県初上陸なるか。多分、これで全県制覇のはず。
赤頭の国、つがるへ。
#東北旅行 #青森初上陸✈️ #火怨 #赤頭
2023年5月25日 10:47 の投稿より
この#火怨というタグは、高橋克彦の小説『火怨 北の燿星アテルイ』のことです。この旅はこの本を読みながら来ていました。その話は別に書きました。
→ 『火怨』を読んで青森へ|「黒石」の標識と、十和田神社に残る坂上田村麻呂の名前
そして最終日の投稿が、さきほどの「天気に恵まれた3日間でした🙂 #晴れ男パワー」です。3日間、傘を一度も差していません。
この旅で歩いたところ
| 日 | 歩いたところ |
|---|---|
| 5/25 | 発荷峠展望台 → 十和田湖・休屋 → 十和田神社 |
| 5/26 | 奥入瀬渓流(石ヶ戸〜銚子大滝、約15,000歩)→ 谷地温泉で昼食 |
| 5/27 | 白神山地 ブナ林散策道 → 十二湖・青池 |
この日の前後に泊まった宿
大秋温泉 ブナの里 白神館
世界遺産白神山地に一番近いホテル!源泉かけ流し温泉と料理が自慢。夕食の良かった宿ランキング入賞歴あり
- 最安 7,700円〜
- 評価 4.42(142件)
- 最寄 弘前
- サービス4.46
- 立地4.38
- 部屋4.16
- 設備4.15
- 風呂4.36
- 食事4.22
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まとめ
- 白神山地は1993年、日本初の世界自然遺産。観光で歩けるのは「世界遺産の径 ブナ林散策道」など縁の散策道
- 散策道の途中に「紀子さまの木」と呼ばれる大きなブナがある(胸高直径およそ80cm)
- 散策道は小回り約270mと短い。ただし木の階段の上り下りがあるので靴は選ぶ
- 十二湖の青池は駐車場からすぐ。インクを落としたような青で、浅いところは緑に見える(青い理由は諸説あって未解明)
- 5月下旬はブナの新緑がそろったころ。気温もちょうどよかった
- ふもとの宿でぶなの森ビール(暗門の滝の水+ぶなの天然酵母/中ジョッキ800円)が飲める。通販では見つかりません
午前に世界遺産のブナ林、午後に青池。1日で両方まわれます。そのときの気持ちは、結局この一行に尽きます。
心が洗われるようでした😀
2023年5月27日 13:26 の投稿より
この記事の情報について
| 訪問 | 2023年5月27日(JTB旅物語「白神山地・奥入瀬渓流をじっくり歩く 3日間」) |
| 場所 | 青森県 白神山地/十二湖(青池) |
| 写真 | すべて訪問時に撮影したもの |
| 引用 | 本文中の引用は、いずれも旅行中および翌朝に本人が投稿したもの |
| 注意 | 散策道の通行止め・開通時期、駐車場や施設の状況は年によって変わります。最新の情報は白神山地ビジターセンターや自治体の公式発表でご確認ください |


