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藤原宮跡が世界遺産に|蓮池とキバナコスモスが咲く、大和三山の真ん中

藤原宮跡の蓮池。一面の蓮の向こうに大和の山並みと青空

2026年7月26日、藤原宮跡が世界遺産になりました。

私がここへ行ったのは、その12年前です。当時は、ただの原っぱと蓮池でした。観光地という感じはまるでなくて、地元の方が犬の散歩をしているような場所でした。

藤原宮跡の蓮池。一面の蓮の向こうに大和の山並みと青空
藤原宮跡の蓮池。朝9時24分、まだ日が高くなる前

これが、いまの世界遺産です。

この記事は、世界遺産になる前の藤原宮跡を、朝8時46分から10時5分まで歩いた記録です。蓮とキバナコスモス、朱色の柱、そして発掘の現場まで、そのまま載せます。

目次

藤原京が世界遺産になりました|2026年7月26日

まず、いちばん新しい話から書きます。

🔴 2026年7月26日、ユネスコの世界遺産委員会が「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産への登録を決めました。韓国・釜山での会議でのことです。

登録名飛鳥・藤原の宮都(Ancient Capitals of Asuka and Fujiwara)
決まった日2026年7月26日
構成資産19(宮殿・官衙跡/仏教寺院跡/墳墓)
藤原宮跡は🔴 その構成資産のひとつ
国内では27件目の世界遺産(文化22・自然5)

つまり、これから人が増えます。

私が行ったときは、駐車場もがらがらで、蓮池のまわりに数人いるだけでした。あの静けさは、もう味わえないかもしれません。だからこそ、当時の写真をそのまま出しておきます。

「特別史跡 藤原宮跡」の案内板と地図
入口の案内板。ここは特別史跡

この案内板は当時からありました。「特別史跡 藤原宮跡」と書かれています。世界遺産になる前から、国の特別史跡ではあったわけです。

藤原京はどこにあるのか|奈良県橿原市です

場所を先に書いておきます。

🔴 奈良県橿原市(かしはらし)。奈良市ではありません。

ここを間違えると、まるで違うところへ行くことになります。東大寺や奈良公園がある奈良市からは、南へ20キロほど離れています。近鉄で30分ちょっと、車でも同じくらいです。

藤原宮跡の読み方は「ふじわらきゅうせき」

読み方でも迷います。

  • 藤原宮跡=ふじわらきゅうせき(「みやあと」とも読まれます)
  • 藤原京=ふじわらきょう
  • 橿原市=かしはらし

🔴 「藤原宮跡」と「藤原京跡」の両方の表記があります。案内板や公式の表記は「藤原宮跡」です。カーナビや地図に入れるときは、こちらのほうが確実でした。

ちなみに「宮」と「京」は、指しているものが違います。

  • 藤原京=都まるごと(碁盤の目に区切られた街全体)
  • 藤原宮=そのど真ん中にあった、天皇の住まいと役所の区画

いま「藤原宮跡」として整備されて花が咲いているのは、その中心部分にあたります。

藤原京はいつの都だったのか

694年から710年までの16年間です。

持統天皇がここへ都を移し、文武天皇、元明天皇と3代が過ごしました。そして710年、平城京へ移ります。

🔴 たった16年です。

それでも重要なのは、ここが日本で初めての、本格的な「都城(とじょう)」だったからです。中国の都をまねて、道を碁盤の目に通し、その真ん中に宮を置く。その形を最初にやったのが藤原京でした。

藤原京と平城京は、何が違うのか

藤原京平城京
いつ694〜710年(16年)710〜784年(74年)
どこ橿原市(奈良市(
宮の位置🔴 都の真ん中都の北端
いま見えるもの原っぱと花畑、朱色の柱復元された朱雀門・大極殿

🔴 宮が真ん中にあるか、北の端にあるか。ここが大きな違いです。

そして見学者にとっての違いは、もっと分かりやすいところにあります。平城宮跡には建物が復元されていますが、藤原宮跡には何もありません。

藤原宮跡の広い草地。建物は何もない
宮の中心はこの原っぱ。建物は残っていない

これが宮の中心です。本当に、何もありません。

正直に書くと、初めて来た方は「え、これだけ?」と思うと思います。私も少し思いました。

ただ、この「何もなさ」には、ちゃんと見方があります。

🔴 朱色の柱は、建物が立っていた場所です

藤原宮跡の草地に立つ朱色の円柱。大極殿跡の柱の位置を示す標識
この朱色の柱が、建物の柱が立っていた位置

草地に、朱色の短い柱がぽつぽつ立っています。

🔴 これは飾りではありません。発掘で見つかった「柱が立っていた穴」の位置に、そのまま立ててあります。

つまり、この柱と柱の間隔が、そのまま建物の大きさです。歩いて数えると、建物がどれくらい大きかったかが、足で分かります。

これを知らずに見ると、ただの棒です。知って見ると、そこに建物が立って見えてきます。「何もない」場所の楽しみ方は、ここだと思います。

朝堂院東門の説明板。発掘調査の写真と図面
説明板。発掘で何が出たかが書いてある

説明板もあちこちに立っています。これは朝堂院(ちょうどういん)の東門があった場所のものです。発掘したときの写真と図面が載っています。

🔴 説明板は、写真に撮っておくと後で効きます。その場では読み切れませんし、帰ってから調べるときの手がかりになります。

発掘は、いまも続いています

藤原宮跡の発掘調査の現場。立入禁止の札と掘られた地面
2014年8月。まだ発掘の途中だった
発掘調査で作業する人たち。掘り出された遺構が見える
実際に人が入って掘っていた

歩いていたら、発掘の現場に行き当たりました。「立入禁止」の札が立っていて、その向こうで人が作業をしています。

🔴 これは、なかなか見られるものではありません。

世界遺産というと、もう調べ尽くされたものだと思いがちです。でもここは、いまもまだ掘っている最中でした。地面の下から、何が出てくるか分かっていない部分が残っている。

お子さんと行くなら、ここは面白いところだと思います。教科書に載っている場所が、いま目の前で掘られているわけですから。

藤原宮跡の蓮池|7月から8月の、朝いちばん

ここからが、花の話です。

藤原宮跡の蓮池を横から。花と葉が一面に続く
池というより畑。ずっと向こうまで続いている

🔴 「池」と呼ばれていますが、実際は畑に近いです。水面が見えるような池ではなく、蓮の葉で埋まっています。

それがずっと向こうまで続いていて、その先に山が見えます。

藤原宮跡の蓮の花のアップ。淡いピンクの大きな花
花はかなり大きい。手のひらでは足りないくらい

花は、思っているよりずっと大きいです。手のひらに乗るような大きさではありません。

白い蓮の花。まわりは緑の葉
白い花も混ざる。ピンクだけではない

白い花も混ざっています。ピンク一色ではありません。

🔴 藤原宮跡のハスは、朝でないと開いていません

これが、いちばん大事なところです。

蓮の花は、朝に開いて、昼には閉じます。

  • 早朝に開き始める
  • 7時から9時ごろがいちばん開いている
  • 昼前には閉じ始める
  • 午後に行くと、ほとんど閉じています

私が蓮池にいたのは朝9時10分から9時41分です。写真の花が開いているのは、そのおかげです。

蓮の花と葉の向こうに広がる青空と雲
蓮は背が高い。しゃがむと空しか見えなくなる

🔴 お昼を食べてから行こう、というのは、蓮に関しては失敗します。せっかく行っても、つぼみのように閉じた花しか見られません。

朝がつらいのは分かりますが、蓮だけは早起きの価値があります。そのかわり、夏の朝は涼しいので、歩くには一日でいちばんいい時間です。

🔴 朝9時に蓮池にいるには、前の晩に泊まるしかありません

ここで、現実的な話をします。

🔴 朝7時から9時に橿原にいるということは、遠方の方はその日の朝に出発しても間に合わないということです。

大阪や京都からでも、始発で動いてぎりぎり。関東からなら、まず無理です。前の晩に、奈良のどこかに泊まることになります。

私は近くに住んでいるので日帰りでしたが、もし泊まるならここだろうと思っている宿を挙げておきます。

奈良ホテル

関西の迎賓館として1909年創業。伝統のおもてなしで心に残る旅を。

📍 奈良県 奈良市高畑町1096地図
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奈良ホテル

関西の迎賓館として1909年創業。伝統のおもてなしで心に残る旅を。

奈良ホテル の外観奈良ホテル の客室
  • 最安 18,032円
  • 評価 4.63(1,724件)
  • 最寄 近鉄奈良
  • サービス4.69
  • 立地4.61
  • 部屋4.60
  • 設備4.56
  • 風呂4.46
  • 食事4.76

近鉄奈良駅東改札口B出口より徒歩約15分。タクシーで5分。路線バス(天理方面行き3番のりば)約7分

奈良ホテル の地図

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奈良ホテルです。1909年(明治42年)の創業で、「関西の迎賓館」と呼ばれてきた建物です。奈良公園の南、高畑町にあります。

🔴 正直に書くと、私はここに泊まったことがありません。日帰りで通える距離に住んでいるからです。ですので「泊まってよかった」とは書けません。ただ、食事には行きました。創業110周年の記念ランチで、フォアグラがおいしかったのを覚えています。

ただ、建物そのものが100年以上前のもので、奈良では別格の宿として知られています。藤原宮跡までは車で30分ほど。朝の蓮に間に合う距離です。

宿の選び方については、奈良のコスモスの記事のほうに、値段の幅で3軒ならべて書きました。

蓮の花と、花が落ちたあとの実(花托)
咲いた花のとなりに、もう実になったものがある

咲いている花のとなりに、もう実(花托・かたく)になったものがあります。シャワーヘッドのような形のものです。

藤原宮跡の蓮の花の見頃は7月から8月上旬

私が行ったのは8月3日で、まだ十分に咲いていました。ただ、実になっているものも混ざっていたので、ピークは少し前だったのだと思います。

  • 7月上旬〜中旬 いちばん花が多い時期
  • 7月下旬〜8月上旬 花と実が混ざる。私が行ったのはここ
  • 8月中旬以降 実が目立ってくる

1つの花が咲いているのは3日か4日だそうです。次々に新しい花が開くので、期間としては長く見られますが、「この一輪」を狙って行くことはできません。

同じ日に、キバナコスモスも咲いていました

🔴 藤原宮跡のすごいところは、同じ日に別の花も見られることです。

藤原宮跡のキバナコスモス。オレンジ一面と青空
同じ日の朝8時47分。蓮池のすぐそばがこれ

これは同じ日の朝8時47分。蓮池を見る20分ほど前に撮ったものです。

キバナコスモスです。名前にコスモスと付きますが、秋に咲くコスモスとは別の花です。

キバナコスモスコスモス(秋桜)
時期7月下旬〜8月10月
オレンジ・黄色ピンク・白・赤
背丈低め(腰くらい)高い(胸から肩)
濃いオレンジのキバナコスモスが一面に咲く
キバナコスモスは背が低い。人の腰くらい

色がとにかく濃いです。オレンジが一面になります。

キバナコスモスの花にとまるクマバチ
花にはハチがたくさん来ている

ハチがたくさん来ています。クマバチは見た目が怖いですが、こちらから触らなければ刺しません。花の蜜に夢中なので、そばで写真を撮っても平気でした。

お子さんが怖がるようなら、花畑の縁を歩くだけでも十分きれいです。

大和三山の位置関係|花畑から3つとも見えます

キバナコスモス越しに見える耳成山。円錐形の低い山
向こうの丸い山が耳成山。大和三山のひとつ

写真の向こうに写っている、お椀をふせたような山。これが耳成山(みみなしやま)です。

🔴 藤原宮は、この3つの山に囲まれた真ん中に造られました。

読み宮から見て
耳成山みみなしやま
畝傍山うねびやま西
天香久山あまのかぐやま

これが大和三山(やまとさんざん)です。どれも200メートルに満たない低い山ですが、まわりが平らなので、ぽつんぽつんと目立ちます。

都をここに置いたのは、この3つの山に囲まれた地形が理由のひとつだったと言われています。花を見に来て、ついでに1300年前の都市計画が見えるわけです。

藤原宮跡の万葉歌碑。持統天皇の歌が刻まれている
持統天皇の歌碑。「春過ぎて夏来たるらし…」

敷地内に歌碑があります。刻まれているのは、持統天皇の歌です。

🔴 「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣干したり 天の香具山」

百人一首でご存じの方も多いと思います。この歌を詠んだ人が、この場所に住んでいました。そして歌に出てくる天香久山が、そこに見えています。

私が行ったのは8月3日でした。まさに「夏来たるらし」の季節です。それに気づいたのは、帰ってから歌碑の写真を見返したときでした。

藤原宮跡は、いつ行けばいいのか

ここは季節ごとに違う花が植えられます。いつ行っても何かある、という珍しい場所です。

時期咲くものひとこと
菜の花・桜黄色い一面と、まわりの桜
7月〜8月上旬🔴 朝でないと開いていません
7月下旬〜8月キバナコスモスオレンジ一面。日陰なし
10月コスモスピンク。いちばん人が多い

🔴 蓮とキバナコスモスは、時期が重なります。私が行った8月3日は、まさにその重なった日でした。1回で2つ見られるのは、この時期だけです。

夏に行くなら、これだけは持っていってください

  • 🔴 帽子。木が1本もありません。日陰はゼロです
  • 🔴 水。売店らしい売店はありません
  • スニーカー。土と草の道です
  • 虫よけ。ハチが飛んでいます
  • 汗ふき。朝でも8月は暑いです
藤原宮跡のまわりの田んぼと、雲の浮かぶ空
まわりは田んぼ。高い建物がない

まわりはこういう景色です。高い建物がないので、空がとにかく広い。その代わり、隠れる場所もありません。

藤原宮跡は、1時間半あれば回れます

実際にかかった時間を書いておきます。

08:46着いて、キバナコスモスの畑から
09:04万葉歌碑
09:06宮の中心の原っぱ
09:10🔴 蓮池(ここから30分)
09:17朱色の柱、朝堂院東門の説明板
09:30発掘の現場
10:05出発

🔴 1時間19分でした。写真を撮りながら、ゆっくり歩いてこれくらいです。

広い場所ですが、見るところが集まっているので、思ったより早く回れます。半日は要りません。

ですので、午前中に藤原宮跡、午後に別の場所という組み方ができます。橿原神宮も、飛鳥も、車で20分ほどです。

秋のコスモスについては、般若寺や法起寺とあわせて別の記事に書きました。奈良のコスモスは般若寺・法起寺・藤原宮跡|見頃が2〜3週間ずれますもあわせてどうぞ。

奈良に泊まって、朝から動く。この場所は、それがいちばん効くところだと思います。

奈良ホテル

関西の迎賓館として1909年創業。伝統のおもてなしで心に残る旅を。

奈良ホテル の外観奈良ホテル の客室
  • 最安 18,032円
  • 評価 4.63(1,724件)
  • 最寄 近鉄奈良
  • サービス4.69
  • 立地4.61
  • 部屋4.60
  • 設備4.56
  • 風呂4.46
  • 食事4.76

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※この記事の写真は2014年8月3日のものです。世界遺産に登録されたのは2026年7月26日で、その後の整備や混雑の状況は変わっています。開花状況・駐車場・イベントは、お出かけの前に橿原市や奈良県の公式情報でご確認ください。

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